設立趣意

我が国の高齢者、特に後期高齢者人口は2025年までに急激な増加はひと段落すると言われており、日本において2025年が介護分野の様々な施策完成のターゲットとなる所以である。しかしながら、生産年齢人口は、2025年以降も低下が続き、介護需要と介護供給のギャップの改善の兆しは少なくとも人口構造からは見出せない。さらに付け加えれば、75歳以上の人口においてすら、要介護者の割合が増加し、90歳以上の人口は、2025年以降も増加を継続する。日本の人口構造の変化は、介護業界のみならず全国的な問題であり、近い将来、地球規模的課題になると言える。

ここで重要になるのは、進化の著しいICT・IoT・AIなどのテクノロジーを活用である。しかしながら、これまで介護の現場と、ケアテック事業者等が密接な関係を持って、当該技術を介護分野に導入、もしくは当該技術の使用を前提とした新たな介護を生み出してきたとは言い難い。

さらに、介護サービスの財源は社会保険たる介護保険にほぼその大部分を頼っているが、テクノロジーによる介護の進化や効率化が進んでおらず、それゆえ制度におけるICT・IoT・AI費用の償還もない。このことから、介護事業者がテクノロジーを利用せず、介護事業者もケアテック事業者も投資せず、現場に即した開発が生ぜずの悪循環が生まれている。

我々の目的は、介護の現場とケアテック事業者間の懸け橋となり、介護現場のデータの利活用の促進、また現場に即したテクノロジーの社会実装の推進、さらに国の社会保障の仕組みにも社会実装を推進する提言を行うことにある。このことは、これまでの介護からICT・AI・IoT等テクノロジーの力を最大限活用することによる、科学的なエビデンスに裏付けられた介護の実現、また、テクノロジーと人との融合による持続可能な介護の実現に貢献することになる。さらに日本が「高齢化先進国」として、新たなモデルを示すことによって介護ソリューションの国際化が期待される。

この目的のため、日本ケアテック協会は介護事業者、ケアテック事業者、学識者をメンバーに発足するものであり、皆様の幅広いご支援ご協力をお願いする次第です。

一般社団法人日本ケアテック協会発起人
代表理事 鹿野佑介